田中の前に立ちはだかるのは、4月14日の札幌ドームから5連敗中の日本ハム。「あと3本ですよね?絶対、打たれたくないですから」。最も警戒する相手には、かつての本拠地で2000本安打達成を狙う同姓の田中幸を挙げた。チームが前回対戦した4月28日からのフルスタ宮城3連戦では、11打数で満塁弾と2ランを含む4安打、7打点を挙げた39歳のベテラン。いくらルーキーとはいえ、21歳年上のプロ22年生に遠慮して新記録を逃すつもりはない。
●幸雄、東京ドームで達成を
2000本安打にあと3本と迫った日本ハムの田中幸が、慣れ親しんだ東京ドームでの楽天戦での記録達成に照準を定めた。あと3本から15打席連続無安打と生みの苦しみを味わい12、13日の西武戦(長野)は“完全休養”となったが「東京でできるように切り替える」と意欲満々。ヒルマン監督も「東京では出場することになる」と先発出場を示唆した。
●七回、田中将大から本塁打でついに2000本安打まで2安打に
「たまたま本塁打だった。でも結局負けてしまいましたから」
七回、楽天・田中のスライダーを左翼へライナーで弾き返した。マー君が生まれた88年には、すでに東京ドームでプレーしていた。「慣れているし、やりやすい」。どこの球場よりも多くの安打を積み重ねてきたかつての本拠地で受けた大歓声に自然と目は潤んだ。
家族が球場に駆けつけるようになったのは8日。だが15打席無安打と時間だけが過ぎていった。故郷の宮崎には高齢の祖父を残してきたため、この3連戦で達成できなければ、両親は歓喜の瞬間を見届けることなく一度実家に戻ることになっている。“リミット”目前でようやく進み始めたカウントダウン。父・親範さんも「一本出てよかった。きょうも出なかったら(東京での達成は)どうかなぁと思っていた」と笑った。
「できればこの2試合で決めたい」と田中幸。





