12月に不惑を迎える大ベテランは、1月の自主トレから順調な調整を続ける。「ここ数年で一番、体が動いている。神様が最後の最後でそうしてくれているのかな」。日焼けした顔が、今季への手応えを感じさせる。
大型遊撃手として鳴らした時期は過ぎ去り、最近は若手の台頭の前に出番が減った。2003年終了時で1901安打としながら、以後の3年間でわずか81本。主将を務め、初体験の優勝に歓喜した昨季も、個人的には満足な成績を残せず、大幅減俸を受け入れた。
「去年は15安打しか打っていない。(今季も)非常に難しい状況になっている」と、代打出場が多い現状を冷静に見ている。ただ、正一塁手だった小笠原が移籍し、出場機会が増えることも予想される。「打席に立つ数が多いほど、可能性が高くなる」。首脳陣にアピールしようと、黙々とバットを振り続ける。
「2000本(の目標)がなければ辞めていたかもしれない。現役でやれるだけありがたい」と迎える22年目。球団生え抜きの選手として初の勲章に向け、「ミスター・ファイターズ」は歩を進める。
